2026年3月13日、Claude Code全プランで100万トークンのコンテキストウィンドウが追加料金なしで使えるようになった。Claude Opus 4.6のリリースと同時のアップデートだ。
100万トークンとは、ざっくり言えば「本10冊分」の情報を1回のセッションに入れられる量。これまでのClaude Code(20万トークン)の5倍にあたる。
この記事では、100万トークン対応で何が変わるのか、どう設定するのか、実務でどう活かすのか、そして大きなコンテキストならではの注意点を整理する。
何が変わったのか——3月13日のアップデート内容
変更点は明確だ。
- コンテキストウィンドウ:20万トークン → 100万トークン(5倍)
- 対象モデル:Claude Opus 4.6(デフォルト)
- 追加料金:なし。既存のMax / Team / Enterprise / APIプランでそのまま使える
- 設定変更:Claude Opus 4.6を選択していれば、何もしなくていい
設定方法
Claude Code(Max / Team / Enterprise)の場合
Claude Opus 4.6がデフォルトモデルとして設定されていれば、特別な操作は不要だ。起動すればそのまま100万トークンのコンテキストが使える。
モデルを確認・変更するには、セッション中に /model コマンドを実行する。Opus 4.6以外のモデル(Sonnet 4.6など)を選んでいる場合は、20万トークンのまま。
API利用の場合
APIで利用する場合は、model パラメータに claude-opus-4-6 を指定する。max_tokens の上限も引き上げられている。
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
response = client.messages.create(
model="claude-opus-4-6",
max_tokens=16384,
messages=[{"role": "user", "content": "..."}]
)
100万トークンで何が入るのか——数字で見る容量
| 対象 | トークン目安 | 100万トークンに入る量 |
|---|---|---|
| 一般的なソースファイル(500行) | 約3,000トークン | 約330ファイル |
| 中規模リポジトリ(5万行) | 約30万トークン | リポジトリ全体+会話の余裕あり |
| 大規模リポジトリ(10万行超) | 60万トークン以上 | 主要部分は入る。全体は要選別 |
| 技術文書(100ページ) | 約15万トークン | 6冊分以上 |
| CLAUDE.md + 関連ドキュメント | 1〜5万トークン | 余裕で入る |
20万トークンでは「必要なファイルだけ選んで入れる」運用が必要だった。100万トークンでは、中規模リポジトリなら丸ごと入れてもまだ余裕がある。
ただし「全部入るから全部入れる」は最適解ではない。この点は後述する。
精度の話——長いコンテキストで「ちゃんと覚えている」のか
コンテキストが長くなると、途中の情報を忘れるのではないか。これはよくある疑問だ。
Anthropicの公式テスト(NIAH: Needle In A Haystack)では、100万トークンのコンテキスト全域で高い検索精度が確認されている。「トークンが多い=精度が落ちる」わけではない。
ただし、実務上の注意点がある。コンテキストに入れた情報の量が多いほど、指示の優先順位が曖昧になりやすい。「このファイルを最優先で参照して」「この規則は絶対に守って」といった優先度の指示は、CLAUDE.mdに明記しておくと安定する。
これは「モデルの精度が落ちる」のではなく、「情報が多い中で何を優先するかの判断が難しくなる」という構造的な問題だ。人間でも、10ページの資料と100ページの資料では、後者のほうが「何が一番大事か」を見失いやすい。
開発現場での具体的な使い方5選
1. コードベース全体を渡してリファクタリング
20万トークンでは分割して渡す必要があった大規模リファクタリングが、1回のセッションで完結する。
このリポジトリ全体を読んで、以下のリファクタリングを実行してください。
1. 全てのAPI呼び出しをaxiosからfetchに移行
2. エラーハンドリングを統一(try-catch → Result型)
3. 各変更後にテストを実行して、壊れていないことを確認
ファイル間の依存関係を見落とすリスクが大幅に減る。ただし、1回のセッションで大量の変更を行う場合は、段階的に進めて各ステップで検証するほうが安全だ。
2. セキュリティ監査
認証、権限チェック、入力検証、SQL文、API鍵の扱い——これらを横断的にチェックするには、コードベース全体がコンテキストに入っている必要がある。100万トークンでこれが現実的になった。
このリポジトリ全体を監査してください。
チェック項目:
- ハードコードされた認証情報がないか
- SQLインジェクションの可能性がないか
- XSS脆弱性がないか
- 権限チェックが漏れているエンドポイントがないか
ファイルごとに結果をまとめて報告してください。
3. 複雑なバグのデバッグ
再現手順、エラーログ、関連ファイル、テストケースをすべて1セッションに入れて原因特定を依頼できる。20万トークンでは「情報が切れて文脈を失う」ことがあったが、100万トークンではほぼ解消される。
4. 大規模PRのコードレビュー
数千行の変更を丸ごと渡して、アーキテクチャの一貫性、命名規則の統一、テストカバレッジの確認を依頼できる。変更前後のコードを両方入れて比較レビューも可能だ。
5. レガシーコードの移行
旧コード全体+新フレームワークのドキュメントを同時にコンテキストに入れて、段階的な移行計画と実装を依頼する。旧コードの文脈を保ったまま移行できるのが、大きなコンテキストウィンドウの強みだ。
100万トークンを使いこなすコツ
CLAUDE.mdの重要性は変わらない——むしろ増す
コンテキストが大きくなっても、CLAUDE.mdの重要性は変わらない。むしろ増す。
100万トークン分の情報がコンテキストに入ると、エージェントは「どの情報を優先するか」を判断する必要がある。CLAUDE.mdに技術スタック、禁止操作、完了定義を書いておくことで、優先順位が明確になる。
大きなコンテキスト=なんでも入る、は事実だ。だが「なんでも入る」と「何を優先するか分かっている」は別の話だ。CLAUDE.mdは後者を保証するためのものだ。
「全部入れる」より「構造を教える」
リポジトリ全体が入るからといって、全ファイルを無差別に入れると、重要なファイルが埋もれる。CLAUDE.mdの冒頭で「このプロジェクトで最初に読むべきファイル」を指定しておくと、コンテキストが大きくても作業の精度が上がる。
コンテキストの配分を意識する
| 用途 | 割合目安 |
|---|---|
| ソースコード | 40〜60% |
| ドキュメント・仕様書 | 10〜20% |
| 会話履歴 | 20〜30% |
| 出力バッファ | 10〜20% |
/compactコマンドで長時間セッションを維持
100万トークンでも、長時間作業していると会話履歴がコンテキストを圧迫してくる。/compact コマンドで会話履歴を圧縮できる。
圧縮されるのは「会話のやり取り」部分で、ソースコードの内容は保持される。長い作業セッションでは、1〜2時間ごとに/compactを実行する運用が安定する。
/cost コマンドでセッション全体のトークン消費と推定コストも確認できる。大規模リポジトリを扱うときは、定期的にコストを確認する習慣をつけておくと安心だ。
料金プラン
Claude Code サブスクリプション
| プラン | 月額 | 100万トークン | 備考 |
|---|---|---|---|
| Max(個人) | $100 / $200 | 対応 | $200プランはOpus 4.6のリミット緩和 |
| Team | $30/席 | 対応 | チーム管理機能付き |
| Enterprise | 要見積 | 対応 | SSOやセキュリティ管理 |
API利用
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) |
|---|---|---|
| Claude Opus 4.6 | $15 | $75 |
| Claude Sonnet 4.6 | $3 | $15 |
100万トークンのフル入力でOpus 4.6を使った場合、入力だけで$15。大規模リポジトリの監査を1回走らせると$20〜$40程度が目安だ。頻繁に使うなら、Maxプランのほうがコスト効率が良い。
よくある質問
Q: Sonnetでも100万トークン使えますか?
Sonnet 4.6は20万トークンが上限。100万トークンはOpus 4.6のみ。ただし、Sonnetでも通常の開発作業には十分な容量がある。日常的な作業はSonnetで行い、大規模な監査やリファクタリングのときだけOpusに切り替える運用も合理的だ。
Q: トークン使用量はどう確認しますか?
Claude Codeのセッション中に表示されるトークンカウンターで確認できる。/cost コマンドでセッション全体のトークン消費と推定コストを確認できる。
Q: 100万トークン全部使い切ったらどうなりますか?
コンテキストウィンドウが上限に達すると、古い会話履歴が自動的に圧縮される。/compact コマンドで手動圧縮もできる。ソースコードの内容は保持される。
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Claude Code 読み順
- この記事 — 100万トークン対応の全体像
- Claude Code Agent Teams完全ガイド — 複数エージェントの協調
- Claude コンピュータ操作 — デスクトップ操作への拡張
参考ソース
著者: VibeCoding Tailor
運営: テイラーの隠れ家(shuntailor.net)